We are Buell

2010.06.22

XBRRの快感

今日は、先日鈴鹿サーキットで開催されたHD&Buell Battle Fieldに特別枠(章典外)で参加された小池公貴さんからいただいた熱いメッセージです。小池さんには、昨年のレースで『バトルフィールド3連勝したらお祝いでXBRRにお乗せしますよ!』と声をかけさせていただいていて、見事に結果を出されました。XBRRはデビュー以来新垣敏之選手、鈴木大五郎選手、上田隆仁選手と、Buellが誇る名手たちによって走らせて来ましたが、今年はやはりBuellの名手であると共に、お客様の一員でもあり昨年までは参加者でもあった小池さんによっての走行になりました。

XBRRはその強烈なパワーは勿論のこと、異形のカウルによる圧倒的な空力性能やレース専用設計による驚くべき軽さなど、同じXBでありながら全く違うXBでもある、不思議な魅力を持ったオートバイです。そのXBRRに初めて乗った小池さんのメッセージを、ぜひ皆さんもお楽しみ下さい。

担当: Nat

<< 以下小池選手によるメッセージ >>


OHV史上最強マシン、Buell XBRR

鈴鹿のバックストレート。250km/hを超えるスピードでも、エリック・ビューエルが3日間徹夜の風洞実験をして造り上げたというその特徴的なカウルの中に身を潜り込ませると、ピタリとヘルメットの揺れが収まった。頭が安定すると、今度は強烈な加速感がやってくる。両方の目が頭に強く押し付けられ、さらに左右に広がってしまうようだ。タコメーターの針は、OHVの限界と思える8,000回転を軽々と越え、さらに上昇していく。XBRR・・・これはまぎれもなくOHV史上最強のマシンだ。
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6/12(土)・13(日)に鈴鹿サーキットで開催されたHD&Buellバトルフィールドで、私は招待ライダーとしてXBRRに乗る機会を与えられた。2006年にデイトナ200マイルで勝つためだけに開発されたビューエルのプロダクションレーサー・XBRR。XB12Rをベースに1,340ccまで排気量が上げられ、空冷OHVで150馬力を絞り出すスペシャルウェポンだ。13(日)の決勝ではレインタイヤの装着で満足に走らせることができなかったが、幸い予選走行と、6/12(土)の練習走行ではスリックタイヤを使うことができ、XBRRのその驚異的な性能の一端を垣間見ることができた。

タイヤは本来のピレリから他社製に換えられているので、外径の違いを車高変更で調整。「スタートではサオ立ちにならないように気をつけて」というスタッフの言葉を思い出しながら慎重にスタート。実際、ヘアピンなどの立ち上がりでは簡単にフロントがリフトしてくる。ベルトドライブからチェーンドライブに換えられているせいもあって、スロットルの入力に対してダイレクトにテンションの掛かるこの感じ、悪くない。低速トルクは想像していたよりずっと薄い。6,000回転を超えてから一気にパワフルになるエンジンだ。しかも驚いたことに8,400回転まで回る。昔、チューンしたライトニングS1でライディングしていた時、8,000回転でエンジンが壊れた。つまり、OHVで8,400回転というのは信じられない高回転領域なのだ。私は、終始クラッチレバーに指を掛け、エンジンブローの兆候に気をつけながら再びカウルの中に身を伏せた。

ストレートエンドで回転が上がり過ぎるので、ファイナルを2丁ロングに換えてみた。これで8,000回転、5速255km/hというセッティングになる。他にも1本目の練習走行では、新品に換えたカーボンブレーキパッドにしっかりと熱を加える作業をしておいた。このカーボンブレーキパッドはカーボン成分を溶かしてステンレスローターにコーティングさせないと本来の効きが期待できないのだ。こうして準備の整ったところで、XBRRの性格を探るようにペースアップ。排気音は静か。むしろ一緒に走行した水冷のビューエルレーサー・1125Rの方がうるさいくらい。7,000回転を超えると、目の前に伸びる2本のインテークからのラム圧が効きだし、ターボ車のようにさらに加速しだすXBRR。いままでXB12Rでレースをしてきて、鈴鹿のストレートというのはゆっくりと上昇するタコメーターの針を見ながら「じりじりと我慢する時間」だったのだが、こいつの加速といったら・・・。
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XBRRの強烈な加速とスピードの代償として、受け入れなければならないのが高圧縮比のエンジンが吐き出すとんでもない発熱量。高温になった砂型のプライマリーケースに当たる左足のブーツが黒く焦げてくる。カウルの内側から上がってくる熱で両腕が熱い。エンジン温度は180℃以上。そして3周も走ると強烈な発熱を起こし、インジェクションのタイミングがワンテンポ遅れてくる。その遅れ具合を解釈し、ライダーの方がスロットルタイミングを調整しなくてはいけないのが特別感じられた。また、基本的に「高回転」エンジンなので、常に高回転をキープするというOHVエンジンらしからぬ特殊な乗り方も要求される。私はXR12Rに乗り、このバトルフィールドで過去3度優勝しているが、それは、低速トルク型エンジンの特性を生かしてスピードに乗せるライディングに長けていたからだと思う。XBRRはそんなビューエルの乗り方が通用しない、どちらかといえば国産4気筒マシンのようなスピードの乗せ方をしなければいけなかった。

しかし、それら特殊な点があってもなお、このXBRRの信じられない加速とスピードは楽しいし、やみつきになる。スロットルをひねると、豆粒のようだった前走車が恐ろしい勢いで大きくなり、気をつけていないと追突しそうなる。私はストレートを走っていて思わず声を出して笑ってしまった。S1ライトニングから始まってXB12Rまでずっとビューエルにこだわってレースを続けてきた私にとって、最高のOHVに出会えた気分だった。そして、賞典外とはいえ、わずか50台しか生産されず、ハーレーダビッドソンジャパンにも2台しか残っていないこのXBRRでレースができたことは、とても貴重で感動的な経験だった。この機会を与えていただいた全ての皆様に深く感謝したい。

2010年6月20日
ライダー 小池公貴

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